戸塚区から自動車修理工場が考えるSDGs


神奈川県横浜市戸塚区汲沢にある汲沢オートサービスは、自動車の鈑金塗装が特異な自動車修理工場です。この地で30年以上お客様の自動車を修理させてもらっています。私たちの「お客様」というのはほとんどが近隣のカーオーナーや事業者さんで、本当に地域の皆様に支えられているなと日々感謝しています。

先代が1983年にこの地に工場を建てて、一生懸命1台1台のお車を修理して来ました。私は二代目として2014年に代表に就任し5年が経ち、今年の5月に先代が他界したのもあり。「もっと地域や社会に感謝する工場にしたい」「もっと地域や社会に必要とされる工場になりたい」と今まで以上に強く考えています。

SDGsとは?

みなさんは「SDGs」という言葉を見聞きしたことはありますでしょうか。

戸塚区から自動車修理工場が考えるSDGs

SDGsとは?

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。

外務省Webサイトより

SDGsを汲沢オートサービスとして意識したきっかけ

私が理解するに、SDGsというのは地球や社会、地域に至るまでの「このままでは我々はやばいよ」という警鐘だと考えます。

2016年から2030年までの国際目標、2030年に私は54歳です。あと10年近くで次世代や地域社会にどんな影響を与えられるかはわかりませんが、できることからやっていければと考えています。

私が代表に就任した翌年に国連サミットで採択されたのも縁を感じます。このSDGsに地域の零細企業でありイチ自動車修理工場が取り組めることを考えてみることにしました。

汲沢オートサービスとしてできるSDGsを。

私は現在43歳です。人生の中で様々な社会の変化や出来事を経験してきていますが、今のように地域や社会を意識するきっかけをくれたのは2011年に発生した東日本大震災です。

2011年3月11日14時46分に私は東京の世田谷に居ました。発生直後の国道246号線を思い出してみると、車は大混乱による大渋滞、余震におびえる人々そして夕方に向かうにつれて家族が心配で職場から帰途に向かう人々の群れ。あの光景は異様でした。多くの人が都市部で仕事をする時代、あのような災害時には家族に会うまでにどれだけ時間が掛かるのか。その時に地域の大切さを知り、都市部で働かないと生きていけない人が多いこの社会に疑問を感じました。

「これからはグローバルとかドーナツ化現象とかじゃなくドローカル時代がやってくる」

この時の想いが、今の経営スタンスや考え方、地域への情熱に繋がっています。

地域の自動車工場が地球規模、世界規模の何かを考えるのではなく、目の前のこと、身の回りのことを中心に考えてみると、やはり人口減少と高齢化社会でしょう。戸塚区はありがたいことに人口減少はまだしていませんが、戸塚駅や東戸塚駅周辺のマンションが多く建ち並ぶエリアは人も多く若い人も目にする機会が多いですが、ウチの工場がある汲沢や隣の深谷は驚くほど高齢率が上がっています。高齢夫婦の2人暮らし、高齢者の1人暮らし、空き家、空地。高齢者の徘徊。

言っても横浜市ですよ!全国的に見れば大都会の一つです。そんな横浜市でも外れの方来ると2019年ですらこんな状況です。個人商店は少なくなり、ナショナルチェーンのコンビニやスーパーマーケット、ドラッグストア、ファミリーレストランが街道沿いにドカーンと構え、そこでアルバイトやパートスタッフとしての雇用を生んでくれています。しかし、若い人にとってはもっと都会で経験できることをと若い人はどんどん都市部に出ていきます。このような状況で10年後の2029年、汲沢オートサービスのある地域に若い人がいるわけがありません。このままではウチの自動車工場でも若い人の雇用はもちろん、雇用すらできない状況になってきます。このままでは誰が考えても良くない未来なんです。

では、この現状をどう変えるのか。ウチのような小さい自動車修理工場に何ができるのか。それはウチだけではできません。地域の事業者や住民で同じような考え方をしている方々と繋がって何かを取り組んでいかないと。

みなとまち 食のEARTH Fesで仕掛ける

実はここまでは前置きでして、同じような考え方、志のある事業者さんと連携して何かできないかと思っていたところ「子供たちの未来のためにSDGsイベントを仕掛けたい」というメンバーに出会えました。そしてありがたいことに実行委員会のメンバーにも参加させていただけました。

それが、このイベントです。

みなとまち 食のEARTH Fes 表(汲沢オートサービスのブログ)
みなとまち 食のEARTH Fes 裏(汲沢オートサービスのブログ)

実行委員会でイチから企画し、イチから実行し、軍資金も集め、行政や自治体のご協力もいただき実施するSDGsイベント

みなとまち 食のEARTH Fes ~ここからはじまるSDGs~

「SDGsってお金持ちや時間のある人、意識の高い人がやってるやつでしょ」って思われたなくない!私の想いはこれだけです。

私のような地域の小さな小さな自動車修理工場の人間でもできるんだから、誰でもできるし考えられるのがSDGsであって欲しい。

イベントは東日本大震災の復興支援イベントも成功させた経験があるメンバーが揃っています。中心メンバーは横浜市内、神奈川県内で飲食店を展開する会社が多く、それぞれの会社が今まで飲食業界として取り組んできたことが実はSDGsに繋がっていることを今回知り、我々だってSDGsと繋がっている取組みをしていたなんて思ってもみなかったんだから、みんなも知らないうちに取組んでいることや考えていることが実はSDGsに繋がっているんだよって気付いてもらえるきっかけをこのイベントで作りたいとも考えています。

イベントでは飲食業界が参加するイベントらしく「美味しいブース」がたくさん並びます。イベントタイトルの「ここからはじまるSDGs」が表すようにSDGsを知るためのブースやステージもあります。

11月23日、24日。この2日間の日本大通りはとにかく楽しいSDGsイベントになること間違いなしです。ぜひともイベントに足を運んで「ここからはじまるSDGs」を体験してみてください。


開催情報

開催日時 2019年11月23日(土)11時~20時
  2019年11月24日(日)11時~18時 
開催場所 日本大通り(横浜公園~コンテナ街道)
参加費 無料

※雨天決行/荒天中止

※24日の10時から11時は、バリアフリー優先タイムとなります。

主催 一般社団法人 関内活性会
後援 日本大通り活性化委員会、横浜商工会議所、横浜メディアビジネス総合研究所、朝日新聞横浜総局、
  日本経済新聞社横浜支局、毎日新聞横浜支局、読売新聞東京本社横浜支局、横浜市、神奈川県 
運営 みなとまち 食のEARTH Fes実行委員会

ライティング 北原 卓也